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Nobuyuki Takezawa

Author:Nobuyuki Takezawa
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※プレビュー画像はかなり美化しております。こんなに若くありませんしm(_ _)m でも、カラオケ好きなのでマイクを持たせました※

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ヌコ星人の侵略 51~60

ヌコ星人の侵略

【51】~【60】 副題・超巨大宇宙船 《ガリガリオン》

《登場人物》

・西岡時司(にしおか ときじ)主人公。男性。32歳。

・西岡碧(にしおか みどり)時司の奥さん。女性。30歳。

・花井彦兵衛(はない ひこべえ)ヌコ星人。男性。35歳。

・花井美弥子(はない みやこ)ヌコ星人。女性。彦兵衛の妻。33歳。

・花井健一(はない けんいち)ヌコ星人。男性。10歳。

・花井英子(はない えいこ)ヌコ星人。女性。8歳。

・桜田史郎(さくらだ しろう)人間。総理大臣。62歳。

・佐山貴之(さやま たかゆき)人間。科学者。西岡の部下。29歳。

・吉方ハリマオ(よしかた はりまお)ヌコ星人。ヌコ星人の代表。54歳。

・平松貞夫(ひらまつ さだお)官房長官。60歳。

・伊島宏(いじま ひろし)自衛隊統合幕僚長。55歳。

・仁科明人(にしな あきひと)広域テレパス能力者。37歳。お気楽ホットドッグチェーンの社長。

・山本健太(やまもと けんた)錯覚能力者。35歳。大工さん。

・ひょん太(ひょんた)テレポーター猫。人語を理解している。スコティッシュ・フォールド。雄。

・ミルキー(みるきー)近距離テレパス能力と『人を好きになる波動』を出す能力がある猫。アビシニアン。雄。



【ヌコ星人の侵略51】

 月衛星軌道上にあるヌコ星人の超巨大母艦の名は『ガリガリオン』という名だと桜田さんから聞いた。これはヌコ星人がヌコ語で言っても同じだそうだ。意味は『天翔る箱船』である。

 「すっげーなー! ヌコの円盤の中ってこんなんなんだ!」

 と山本健太が母艦連絡用中型宇宙船の、迎賓室の中を歩き回って言った。健一君と花子ちゃんが楽しそうに付いて行く。

 部屋の広さはホテルの小会場程で、円形をしており、中央に様々な情報を映し出すホログラム・スクリーン・タワーがあり、その周囲をぐるりとソファが囲んでいる。壁面は船体を透明化した窓があり、外の様子がよく分かる。

 この時になって、彦兵衛さんのようにホームステイして、超空間ゲートで小型の宇宙船と行き来しているのは俺の所だけだけと分かった。他のヌコ星人はテキトーな場所の上空に宇宙船を固定して、そこから地上へ行って『ご近所になったにゃー』とか言ってるらしい。

 …それだけで仲良くなるって、やっぱ変だ。



【ヌコ星人の侵略52】

 随行員は、俺、碧、佐山、仁科、山本、ひょん太、ミルキー、そして彦兵衛さん一家だ。政府関係者は桜田史郎首相、平松貞夫官房長官、伊島宏自衛隊統合幕僚長、そして条約締結の為の事務方が20人だ。事務方の人達は別室で条約内容の検討をしたり、日本政府の要求等を見直しているそうだ。全員、超有能な高級官僚だ。

 「やあ、みなさん」

 と声がした。見ると、桜田首相、平松官房長官、伊島幕僚長が超空間ゲートに通じているドアから出て来た。言ったのは桜田さんだ。

 「迎賓室って凄いっすね、首相! あ、俺、山本健太です」

 山本はニコニコして言った。度胸のあるヤツである。

 「君が山本君か。宜しく」

 桜田さんは山本に歩み寄り、握手した。妻の碧もその場に行き、日本を代表する三人に挨拶した。そして俺以外、全員が少しばかり緊張して挨拶した。

 彦兵衛さんはお三方にハグをしたのでみんなビックリした。俺は美弥子さんにハグされたい、と思ったら碧に睨まれた。テレパスなのか?



【ヌコ星人の侵略53】

 美弥子さんはソファでくつろいでいる人達に、飲料供給装置でコーヒーやお茶やコーラを配った。碧も手伝った。

 仁科はそのコーヒーを飲んで『うっ』と仰け反った。

 「どうした?」

 と俺。

 「うちのと同じ味だ…」

 仁科はお気楽ホットドッグという店のチェーン店の総括店長だ。コーヒーは格安で、尚且つ凄く美味い。

 「日本で一番美味しい味をコンピューターに登録して分子単位で再現してるにゃ」

 と彦兵衛さん。俺達は『なるほど』と頷いた。続けて『お腹が減ったら何でも注文するにゃ。最高の料理が出せるにゃ』と言った。仁科は『じゃ、お気楽ホットドックのプレーンを一つ』と言った。彦兵衛さんは大きな電子レンジのような装置を操作して、すぐにホットドックを取り出した。どういう原理なのか、後で訊こう。

 「ふーん…」

 と口にした仁科が言った。

 「何か違うのかなにゃ?」

 彦兵衛さんは不安な顔で言った。猫の不安な顔って、眉毛が垂れててなんか笑える。



【ヌコ星人の侵略54】

 「サンプルを採取した場所と日時が分かった。フードコートの日曜の昼過ぎでしょ?」

 と仁科。

 「どうして分かるにゃ?」

 「塩分濃度が低い。屋台で肉体労働者の給食替わりに売りに行く時は塩分を増やすんだ。汗をかいてるからね」

 「にゃにゃ! これぞ日本のオモテナシ文化にゃー!」

 「大抵の国でやってる」

 「にゃ?」

 「日本を買い被りすぎだ。ホットドッグもコーヒーもアメリカ文化だ」

 「そ、それはそうにゃけど…」

 「ヌコ星人が日本に入れ込む理由が分からないね。太平洋戦争で負けてなければ、負けは必然だったと思うけど、大東亜共栄圏なんて軍事独裁帝国を作ってるかも知れないんだ。アジアを無理矢理日本化してるかもよ?」

 「そうならなかったにゃ…」

 「なってても、地球に来て日本万歳ってやったか?」

 「…仁科さんは厳しいお人にゃ」

 彦兵衛さんは悲しそうな顔になった。仁科は俺を見て軽く首を振った。



【ヌコ星人の侵略55】

 仁科は彦兵衛さんの気持ちを揺らして、心の底にあるらしい暗い部分を覗こうとした。が、どうやら彦兵衛さんを悲しませただけらしい。テレパシー能力を使ってヌコ星人の隠されているだろう秘密を探る…。これは事前に取り決めていた事なのだが、仁科が何かを掴んでも連絡する方法が無い。だから、何かあれば『軽く頷く』、何も無ければ『軽く横に首を振る』と合図を決めていた。ヌコ星人の監視の目をくぐっての会話は不可能だからだ。しかし、『アレ』が成功したなら話は別だ。

 『みなさん、ガリガリオンに到着しました。お疲れ様でした』

 と女性の声でアナウンスが流れた。人間組みは一斉に『いつの間に?』と呟いた。

 「壁にガリガリオンを映すにゃ」

 と彦兵衛さんが言い、ホログラムのパネルを操作した。すると壁が透けた。

 「うおーっ!?」

 と山本が叫んだ。俺は『えー…』と呟いた。桜田首相は『やれやれ』とばかりに肩をすくめた。これはヌコ星人の威圧手段の一つだからだ。



【ヌコ星人の侵略56】

 壁が透けて、土星と似たような黒とグレーの分厚い円盤が現れていた。その向こう側に月が見える。太陽は左上方向にあるらしく、ガリガリオンと月を照らし出している。とんでもない大きさである。こんなの見たらこれからやろうとしている事がミジンコレベルに思えてしまう。

 「今まで地球に居たのに!? 揺れもしなかった!?」

 と山本。すると彦兵衛さんが山本の肩を叩いて口を開いた。

 「揺れたら大変にゃ。少しの揺れも、増幅したら中のヌコも人間もペッシャンコになるにゃ」

 「はー…。凄い技術だ」

 「慣性制御装置ってこんなものにゃよ」

 「教えて貰えるの?」

 「司令部が決めたら教えるにゃ。でも、まだ先になるって聞いてるにゃ」

 「ケチ」

 「にゃ!?」

 俺は山本と彦兵衛さんのやり取りを見て笑いを堪えた。多分、教えるつもりは無いだろう。ケチだからではない。慣性制御装置は強力な武器になる。ヌコ星人は決して日本人にこんな技術を教えない。人間に理解出来るとも思えないし。



【ヌコ星人の侵略57】

 俺達が乗っている中型迎賓用宇宙船からガリガリオンとの距離は5キロメートル程だと彦兵衛さんが説明した。ガリガリオンにはこの迎賓室に超空間ゲートを設置して行くそうだ。

 「えー…。つまんないなあ…」

 と山本。

 「何がですにゃ?」

 と彦兵衛さん。

 「だって、折角来たんだからさあ、ガリガリオンまでシャトルとかで行って、観光したいじゃん」

 「観光は予定に入れてあるにゃ。ガリガリオン周回シャトル観光もあるにゃ」

 「おおっ! さすがヌコ星人!」

 「一日目はみんなでパーティー、二日目はヌコ日首脳会談、三日目は観光にゃ。でも面白い事があったら無期限でいろいろするにゃ」

 「行動の自由は?」

 と俺。

 「何処で何をしてもいいにゃよ。帰りたい時はボクに言ってくれればいいにゃ。ボクはみんなのお世話係にゃ」

 彦兵衛さんはニコッと笑って言った。俺は頭を抱えそうになった。『何処で何をしてもいい』とは、『何処で何をしても監視している』という事だ。多分、スキャン・ロックされているのだろう。



【ヌコ星人の侵略58】

 壁のスクリーンが元通りになり『ようこそ、ガリガリオンへ』とアナウンスが流れた。そして迎賓室の一角に、大きなピンク色のドアが現れた。

 「超空間ゲートのドアにゃ。ドアにしているのは皆さんを安心させる為なのにゃ」

 彦兵衛さんはドアの横に移動して言った。

 「ビーム転送とか出来ないの?」

 と山本。

 「ゲートをご本人の場所に設定するだけでいいのにゃけど、はじめての人には失礼になると考えているにゃ」

 「超空間ゲート間の距離は?」

 と俺。

 「秘密なのにゃ」

 「一万三千キロ以上、三十八万キロ未満だろ?」

 「にゃ?」

 「超空間ゲートで地球の裏側まで行けるけど、月までは行けない。とこうなる」

 「さすがですにゃ!」

 「中継ステーションを設ければ宇宙船無しで何処にでも行ける…。そうか、宇宙船は中継ステーションを設置する為にあるのか」

 「それは一つの仕事なのにゃ」

 「ふーん」

 と俺はニヤニヤしながら言った。彦兵衛さんは困った顔をしている。やはりこの辺りの情報は機密になっているようだ。



【ヌコ星人の侵略59】

 ドアをくぐって驚いた。ドーム球場ぐらいもある空間にこれまた巨大な雛壇がそびえているのだ。雛壇だけで三階建てのマンションぐらいもある。数えたら七段だ。

 「ようこそー、おっ! ガリガリオンへー、おっ! 我らが友よー、おっ!」

 と最上段で殿様の格好をしているヌコ星人が奇妙な節を付けて言った。声はマイクで拾っているらしく、よく聞こえる。

 誰だろう? と思って見たらヌコ星人の代表、吉方ハリマオ氏だった。雛壇に並んでいるヌコ星人達もヌコ政府の閣僚や官僚達だ。ひな人形みたいな着物を着ているけど。

 俺達は顔を見合わせ、暫し呆然としてしまった。

 「えー、お出迎え、痛み入ります」

 と桜田さん。

 「いつもこんなのなんですか?」

 俺は桜田さんの耳元で囁いた。

 「さすがにこんなのは初めてだ。いつもはパーティー会場とかお祭り会場とか、そんな感じだ」

 「はー…」

 俺は言葉を失い、雛壇を見上げた。花井さんを観察していて、大体の予想をしていたが、圧倒的に予想を裏切られた。何考えてるんだか、ヌコ星人は。



【ヌコ星人の侵略60】

 俺達が絶句していると、雛壇が変形し始めた。そして滑り台のようになり、雛壇に鎮座していたヌコ星人達が滑り降り、床に着地した。スックと。

 「どうです、今回は? 驚きました?」

 と吉方さんが俺達に走り寄って言った。

 「凄く驚きましたよ」

 桜田さんが微笑んで言った。さすが総理大臣、肝が据わっている。俺を含めて初めて来た者は無言で目を見開いている。

 吉方さんは俺達と握手をして、指をパチンと鳴らした。肉球がある手で指を鳴らすとは器用なヌコ星人である。

 するとこれまたド広い空間に瞬間移動した。超空間ゲートを使って、瞬間的に移動させたのだろう。

 そこはコンサート会場のような舞台で、客席にはヌコ星人が何千人も行儀良く椅子に腰掛けていた。

 拍手が巻き起こった。俺達は吉方さんに案内されて、舞台上にある会議テーブルに着席した。

 「それではこれより第…、何回か忘れたけどヌコ日本首脳会談を始めます! 今回は素敵なゲストもおいで下さってます。まずは西岡時司さん!」

 と吉方さんがマイクを持って言った。拍手が起こる。俺の自己紹介になんの意味があるのかと思ったら、カラオケでよく歌う曲のイントロが流れ出した。吉方さんが俺にマイクを渡し『歌って歌って』と囁いた。もうどうにでもなれ、と俺は観念して歌った。なんか気持ちいいぞ。



続く!

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