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Nobuyuki Takezawa

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ヌコ星人の侵略 31~40

ヌコ星人の侵略

【31】~【40】  副題・ゲスト

《登場人物》

・西岡時司(にしおか ときじ)主人公。男性。32歳。

・西岡碧(にしおか みどり)時司の奥さん。女性。30歳。

・花井彦兵衛(はない ひこべえ)ヌコ星人。男性。35歳。

・花井美弥子(はない みやこ)ヌコ星人。女性。彦兵衛の妻。33歳。

・花井健一(はない けんいち)ヌコ星人。男性。10歳。

・花井英子(はない えいこ)ヌコ星人。女性。8歳。

・桜田史郎(さくらだ しろう)人間。総理大臣。62歳。

・佐山貴之(さやま たかゆき)人間。西岡の部下。29歳。

・吉方ハリマオ(よしかた はりまお)ヌコ星人。ヌコ星人の代表。54歳。

・平松貞夫(ひらまつ さだお)官房長官。60歳。

・伊島宏(いじま ひろし)自衛隊統合幕僚長。55歳。

・仁科明人(にしな あきひと)広域テレパス能力者。37歳。お気楽ホットドッグチェーンの社長。

・ひょん太(ひょんた)テレポーター猫。人語を理解している。スコティッシュ・フォールド。雄。

・ミルキー(みるきー)近距離テレパス能力と『人を好きになる波動』を出す能力がある猫。アビシニアン。雄。



ヌコ星人の侵略【31】

 「こんにちはー…」

 とおずおずと部屋に入って来たのは、俺より五歳年上の男だ。服装は背広、大きな動物用キャリーバッグと紙袋を抱えている。俺は彼をソファに座らせた。

 「こちらが仁科明人君です。歳は自分より上ですが、立場を優先して『君』付けています。本当は友達なんでお互いに君を付けているだけですが」

 「彼のその大きなバックの中は?」

 と桜田さん。俺は仁科を見て、中身を出すように指示した。すると二匹の猫が飛び出すように出て来た。

 「わっ! 猫っ! 二匹っ!」

 桜田さんは仰け反った。暫くして俺は口を開いた。

 「説明します。仁科君は広域テレパスです」

 「え? テレパシーがあるのか?」

 「半径100キロメートルまでなら人物の特定、誰が何を感じているか、が分かります」

 「超能力者が居たのか…」

 「その二匹、ひょん太とミルキーも能力があります。ひょん太はテレポート、ミルキーは近距離テレパシーが使えます」

 ミルキーは『ラブラブ波動』も使えるけど、あんまり関係と思って説明しなかった。



ヌコ星人の侵略【32】

 「『みーこ』って喋る猫をご存じですか?」

 「知ってるも何も、私はテレビ番組で何度も鋭いインタビューをされたぞ。最近見ないが?」

 「飼い主の中学教師、遠山紀夫と僻地の学校を回ってましたがヌコの研究対象にされています」

 「大丈夫なのか?」

 「ご心配なく。然るべき処置を施しております。ご存じだと思いますが、みーこ、ひょん太、ミルキーはAOTで遺伝子レベルから改良された猫達です。以前の政権が予算をカットした為、研究途中で猫達も放棄されました。ですが、裏から手を回してこの三匹の回収に成功しました」

 仁科は佐山が淹れたコーヒーを飲んで顔をしかめた。桜田さんはひょん太とミルキーを抱いて嬉しそうだ。

 「仁科君、説明頼む」

 「分かった。桜田首相が『部屋』のメンバーだとは知りませんでした。光栄です」

 「挨拶はいいから。『首相』も要らない」

 と再び俺。『堅苦しくしないでいい』ではなく、これは『戦友』として動く為だ。



ヌコ星人の侵略【33】

 「空に感情、つまり『気持ち』が飛んでいたんです。凄いスピードでした。それから気持ちの量が急速に増えました。気持ちの内容を探ってみると『面白い』『愉快』『新天地』『人間は原始的』『仲良くしたい』『日本人が好き』等です。
 でも、空を見上げても何もありません。そんな時、店でホットドッグを作っていたら客席に異質な気持ちを抱えている人物を発見しました。それが西岡君です。
 『皆神山』『ステルス・フィールド』『AOT』『太陽系外縁部に』『二千年周期』『核が通じるか?』『宇宙船は作れるか?』等です。近寄って気持ちの奥底まで感じ取りました。そして『部屋』の存在を知りました。それで声を掛けて、自分の事を話したんです」

 と仁科、話し終えると紙袋から専用の紙で包んだホットドッグを何本も取り出して俺達に配った。倉庫に行けば食料はあるが、これは嬉しい差し入れだ。俺達はもくもくと食べた。美味い! そう言えば、もう昼だ。



ヌコ星人の侵略【34】

 「仁科君、君のテレパシーはステルス・フィールドを通過するのかね?」

 と桜田さん。

 「ええ、通りますね。テレパシーの感度が弱くなる事もありません」

 「妙だな。アレはあらゆるエネルギーを吸収するのだが…。まあ、使えれば問題無い。このひょん太のテレポートとミルキーの近距離テレパシーはどうなんだね?」

 『桜田さん、ボク、好き?』

 とミルキーの声が頭の中に響いた。

 「いいい、今のがそうか?」

 『うん。そう、だよ』

 「言葉が分かるのかい?」

 『言葉に、聞こえている、だけみたい。ひょん太と、喋るし』

 「そうか…。言葉の意味がダイレクトに伝わっているのか」

 『ひょん太、どこにでも、行けるよ。知ってる気持ちの、近くだったら』

 実験では、カナダまでテレポートした事がある。お気楽ホットドッグの国際チェーン店をカナダで展開する為に、仁科が現地に行ったら、宿泊していたホテルに現れたらしい。お陰で猫二匹を引き連れて商談する事になったとか。



ヌコ星人の侵略【35】

 「実は、仁科君が昔住んでいたマンション『気楽荘』には超能力者が多数入居していました」

 と俺。桜田さんは『え?』という顔になった。

 「スプーンどころか人間まで曲げてしまう『念動力』、他人に錯覚を起こさせる『錯覚能力』、幽霊や悪霊が見えて対処出来る『心霊能力』、物理エネルギーを偏向させる膜が張れる『バリア能力』。ちなみに仁科君の奥さんは料理の味を劇的に美味しく出来ます」

 「ヌコにも通じるのかね?」

 「ええ。AOTで実験済みです。仁科君のテレパシー同様、彼らの能力はヌコのフィールド、シールドを透過します。また、能力の効果は阻害されません」

 「頼もしい戦力だな」

 「いやそれが、仁科君と約束していまして」

 「どんな?」

 「『自分は協力するけど、他の人達は関与させないで欲しい』そうです。これを守らないと彼の協力が得られません」

 「…そうか。分かった。ひょん太とミルキーは勝手に付いて来たようだな」

 と桜田さん。仁科は軽く会釈した。



ヌコ星人の侵略【36】

 「仁科君、ヌコの目的は分かるかね?」

 と桜田さん。

 「彼らの気持ちは『仲良くしたい』『人間は面白い』みたいなのばかりです。ただ…」

 「ただ?」

 「気持ちの奥底に妙なモノを感じます」

 「探ってみたかね?」

 「ええ。何か、影みたいな感じなんですけど、それ以上は分からないんです」

 「テレパスでも探れないのか…。ミルキーは?」

 『ボクも、同じ。黒っぽい、モノを、感じる』

 とミルキーはテレパシーで言った。

 「自分もヌコ星人には何かあると思います。まず、そこから追求するのが良いかと」

 と俺。花井さん一家と一緒に居ると幸せな気分になるけど、何か引っ掛かるモノがあるのだ。

 「具体的には?」

 桜田さんはひょん太とミルキーを撫で回しながら言った。

 「ヌコ星人の母艦に仁科君、ミルキー、ひょん太と一緒に行ければ何か分かるかも知れません」

 「分かった。ヌコ代表の吉方ハリマオさんに見学申請をしてみる」

 と桜田さん。これで何か分かればいいのだが…。


ヌコ星人の侵略【37】

 桜田さんが『部屋』から退室した。暫くして、佐山が『解析、終了しました。投影します』と言った。

 テーブルの上に立体ホログラムが出現した。軟性空間抵抗を利用したホログラムだ。これもAOTの装置を利用しているのだが、原理はステルス・フィールド同様解明不能だ。

 「これは、ヌコの身体か?」

 と仁科。ホログラムにはヌコの成人男性の裸体が映し出されている。

 「ヌコ星人はジャズが好きでね。うちにホームステイしている花井彦兵衛さんを通してヌコだけ集めてジャズのライブステージに招待した。一瞬だけライブ会場をステルス・フィールドで包んで亜空間スキャンでデータを収集したんだ」

 と俺は仁科に説明した。

 「よくバレなかったな」

 「トランスレーターは亜空間通信装置でもあるが、通信する際に0.00147秒のタイムラグが生じる。理由は不明だ。この間だけステルス・フィールドを張って、スキャンしたわけだ」

 俺はヌコ星人について分かった事を仁科に説明する事にした。



ヌコ星人の侵略【38】

 「ヌコ星人の遺伝子は人間と非常に良く似ている。差異は個体差の分だけだ」

 と俺は佐山に人間とヌコの相違点を表示させた。首から上の猫の顔、モフモフの毛が生えている皮膚、尻尾等は違うが、筋肉や神経や血管や内臓は殆ど同じだ。

 「個体差の分って、とれぐらいだ?」

 と仁科。

 「ヌコとの子供が作れるぞ」

 「マジか。何千光年も離れた惑星で発生、進化したエイリアンと遺伝子がほぼ同じって…」

 「それが必然的進化なのか、太古に何者かが宇宙に道祖となる遺伝子を持つ生物をばらまいたのかは分からない。分かっても学者が喜ぶだけだ」

 「まあそうだな。で、オレとひょん太とミルキーがヌコの母艦に入ってからのスケジュールは?」

 俺は仁科に計画表が記載されているデータパッドを渡した。

 「ここで暗記してくれ。ステルス・フィールドの外に出した瞬間にヌコのスキャンでバレる」

 「ちょっといいか?」

 「なんだ?」

 「コーヒーが不味い」

 忘れていた。お気楽ホットドッグは『美味いコーヒー』でも評判だった。



ヌコ星人の侵略【39】

 「あのさ、思うんだけど」

 と仁科。

 「なんだ?」
 「ヌコ星人の『心の影』は気になるけど、侵略されたと言っても被害は無いし、ヌコっていいヤツばっかりだし、可愛いし、面白いし、別にこのままでもいいんじゃないか?」

 「んー、マスコミもそんな意見ばかりだな。ヌコは友人だ、ヌコによるメリット、略して『ヌコメリ』は素晴らしいとか」

 「そう思えるけど?」

 「ヌコ星人も日本政府も情報規制はしていない。が、ヌコ星人を持ち上げる情報、報道、番組が氾濫している。大学教授、著名人、タレントを総動員して。つまり、気に入られようと必死になってるわけだ」

 「あ、そうか…。分かってきた」

 「よく『奴隷の豚』と『野生の狼』に喩えられるよな。今は国民に主権が無く、天皇家の存続の保証も無い」

 「『信じて下さいにゃー』とかテレビで言ってるけど…」

 「日本人はそんなにバカじゃ無い。いずれ皆、事の本質に気付く。その前に手を打ちたい」

 俺の言葉に仁科が頷いた。



ヌコ星人の侵略【40】


 地球人と科学技術の水準が近いエイリアンと遭遇した場合、戦争に発展する。その結果、星間航行技術を持つエイリアンが圧勝し、地球の資源は根こそぎ持って行かれる。これは欧米の研究者の予想だが、大航海時代に植民地を確保して搾取しまくった経験がこう思わせるのだろう。

 ヌコ星人は圧倒的な科学力と軍事力を見せつけ、戦闘も発生せず、一夜で日本を屈服させた。『抵抗する術が無い』のならば残された道は降伏しか無い。ある意味で幸運だと言えば言える。

 だが、日本にはAOTがあり、超能力者も居る。とても細い糸のような反撃の力。何も出来ないかも知れない。命を落とすかも知れない。それでも戦わなくてはならないのだ。

 「おかえりにゃー!」

 とマンションに帰った俺を、着物姿の彦兵衛さんが出迎えた。

 「どうしたんですか、その着物」

 「色んな服を着たにゃ。着物が楽でいいって分かったにゃ」

 にこにこ笑う彦兵衛さん。『敵』だと思うのが日に日に難しくなってくる。どうしたもんかねえ…。



ヌコ星人の侵略41~50に続く!

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