プロフィール

Nobuyuki Takezawa

Author:Nobuyuki Takezawa
電子書籍のトビラへようこそ!

当ブログでは、私の発行済みの電子書籍を紹介をしております。また、楽しんで頂けるようエンターテインメントブログを目指しています。ごゆっくりお楽しみ下さい。

※プレビュー画像はかなり美化しております。こんなに若くありませんしm(_ _)m でも、カラオケ好きなのでマイクを持たせました※

タグロゴ

カテゴリ

最新記事

CMエリア②

最新コメント

月別アーカイブ

FC2掲示板

ブロとも申請フォーム

RSS

ヌコ星人の侵略 11~20

ヌコ星人の侵略

【11】~【12】副題・ヌコ星人がやって来た! その2

《登場人物》

・西岡時司(にしおか ときじ)主人公。男性。32歳。

・西岡碧(にしおか みどり)時司の奥さん。女性。30歳。

・花井彦兵衛(はない ひこべえ)ヌコ星人。アメショー似。男性。35歳。

・花井美弥子(はない みやこ)ヌコ星人。女性。白猫似。彦兵衛の妻。33歳。

・花井健一(はない けんいち)ヌコ星人。アメショー似。男性。10歳。

・花井英子(はない えいこ)ヌコ星人。白猫似。女性。8歳。

・桜田史郎(さくらだ しろう)人間。総理大臣。62歳。

・吉方ハリマオ(よしかた はりまお)ヌコ星人。オレンジのキジ猫似。ヌコ星人の代表。54歳。



ヌコ星人の侵略【11】

 「友好目的だったら国交を結べばいいじゃないですか」

 と俺。

 「事前調査で、アメリカがヌコの宇宙船に核攻撃して、科学技術を盗むつもりだったと分かったにゃ」

 「宇宙人に好意的な人も多いでしょ?」

 「個人と国は別物にゃ。またテレビつけるにゃ」

 俺はまたテレビをつけた。どのチャンネルも『ヌコ星人日本侵略!』の報道特番をやっている。その中に、アメリカの広報の発表を中継しているのがあった。大統領の姿は見えない。日本語の同時通訳の声も聞こえる。

 『大統領は何故、我が国と友好関係を結ばないのか、日本のような島国、黄色、猿、ジャップ、くそったれ、は? 今のは無しですか? はい、我が国は世界最強の軍事力があり、は? 今のも無しですか? 我が国は地球の代表であり、真っ先に来るべきだ、是非、アメリカ合衆国と国交を結ぼう、このヌコ共め、は? えー、ヌコ様達、この放送が届いていれば』

 「慌ててますね」

 と俺。

 「笑えるにゃ」

 同感だった。歴史的ズッコケ発表となるに違いない。



ヌコ星人の侵略【12】

 彦兵衛さんによると、日本侵略はヌコ星人の圧倒的な力を見せつける為だとか。それでも核保有国は日本に向けて核融合爆弾の発射準備に入ったそうだ。

 「全世界の政府機関とマスコミにヌコの情報を送ってあるにゃ。それでもこれだにゃ」

 と彦兵衛さん。俺は息子の健一君の身体を触らせて貰っていた。ヌコ星人の身体の構造が知りたかったからだ。

 「宇宙船は無事でも、日本の本土に被害が出るのでは?」

 健一君の手は一見すると猫みたいだ。ピンク色の肉球もある。しかし、手を使う時は指が少し伸びて、人間のようになる。爪も引っ込む。奇妙な構造である。

 「おじさん! くすぐったいにゃ! にゃははは!」

 健一君は身体をよじって言った。面白いので脇をくすぐってみた。更に笑う。猫の顔だけど、見慣れるとかなり可愛い。…変態ではないぞ、俺。ふと、彦兵衛さんの顎の下を撫でてみた。すると『ゴロゴロ』と喉を鳴らした。

 「やめるにゃ! 気持ち良くなるにゃ!」

 そうか、これが弱点か。違うか。



ヌコ星人の侵略【13】

 「他の国が日本に攻撃出来ないようにしたにゃ。方法は秘密にゃ。そんな事はどうでいもいいにゃ。人間の暮らしを教えて欲しいにゃ。その為のホームステイにゃ」

 と彦兵衛さん。

 「でも、ヌコ星人の事も知らないと」

 俺は碧にコーヒーを頼んで言った。すると美弥子さんが『お手伝いしますわ』と碧と一緒にキッチンに行った。

 「お互いに接していれば分かってくるにゃ。それとヌコ星人じゃなく、ヌコでいいにゃ」

 「はあ。では今日は休日として過ごしましょうか」

 「何するにゃ?」

 「まず買い物…。ヌコって、普段から服を着てるんですか?」

 俺は花井さん達の皮膚というか毛皮を見て言った。どう見ても猫と同じだ。モフモフである。

 「恥ずかしい所を隠す為に着るにゃ。ヌコは暑さに強いから、お洒落でも着るにゃ」

 俺は美弥子さんを改めて見た。人間の女性のようなおっぱいがある。マニアにはたまらんだろう。なんのマニアだ?



ヌコ星人の侵略【14】

 俺と碧と花井さん一家は揃ってマンションを出た。街のあちこちにヌコ星人が居る。『うじゃうじゃ』の少し手前だ。よくこんな短時間で馴染んだもんだ。あ、俺もその一人だ。

 「ヌコは何人日本に上陸、って言うか降りたんです?」

 「5287万1648ヌコですにゃ」

 「そんなに!? でも空には何も…」

 突然、小型の宇宙船が大量に現れた。俺は仰け反った。バームクーヘンの輪切りみたいな小型の宇宙船は、上空で待機しているのもあれば、凄まじいスピードで飛んでいるのもある。

 「ここからだけ見えるようにしたにゃ。見て平気にゃ?」

 「いえ、腰が抜けそうな気がします…」

 「にゃはは。大勢の人間が一斉に見たら大変な事になるにゃ」

 「パニックで大混乱?」

 「最初はにゃ。そのうち慣れてくるにゃ。日本だけにゃけど」

 「他の国は?」

 「畏怖感とか恐怖心で、略奪とか殺人が横行するするにゃ」

 多分、アメリカとか、アメリカとか、アメリカなんだろうなあ。



ヌコ星人の侵略【15】

 取り敢えず、駅前の総合デパートに行った。碧が嬉しそうだ。休日になると同僚と麻雀ばっかりしていて、ろくに碧を構って無かった。これは反省せねば。

 「アイスが食べたいにゃ」

 と彦兵衛さんはフードコートで言った。データはあっても実際に食べるわけじゃないから体験したいのだろう。

 「アイス三段重ね。種類はオススメで」

 と俺はアイス屋さんに言った。店員さんは素早くアイスクリームを乗せて渡してくれた。

 「これが噂のアイスにゃか!」

 と彦兵衛さん。美弥子さんと健一君と英子ちゃんも手にした。そしてみんなペロッとなめた。

 「こ、これはビックリにゃ! 美味しいにゃ! 人間の才能、恐るべしにゃ!」

 「うーむ…」

 「どうしたにゃ?」

 「昨日の今日でここまで馴染みます?」

 俺はフードコートを見渡して言った、半分ぐらいはヌコである。

 「あの注射で洗脳したとか?」

 「してないにゃ。日本人はヌコを受け入れて慣れたのにゃ」

 ホントかなあ、と俺は思った。



ヌコ星人の侵略【16】

 その後、花井さん一家の服を買うことにした。ヌコ星人の体型は人間とよく似ている。皮下脂肪は殆ど無く、筋肉が発達している。美弥子さんが『色っぽい』と思えたのは、乳房が胸に二つあるからだ。ヌコ星人の子供の数は人間と同じように思える。

 「わーい! お洋服、お洋服!」

 と健一君が半ズボンで、子供用のお洒落な洋服を着てはしゃいでいた。普段はどんな服を着ているのだろう?

 「これ、どう?」

 と碧。結婚してから毎年老けるなあ、と思っていた。ところが、ストーンウォッシュのシーンズにTシャツの上からこれまたイカしているジージャンを着ている碧を見て、俺はときめいてしまった。あ、だから結婚したんだっけ。

 美弥子さんはブルーのワンピース、英子ちゃんは赤いスカートにブラウスだ。絵本から抜け出たような感がある。

 「私はどうかね、にゃ」

 と彦兵衛さん。緑色の背広を着ている。これまた似合っている。でも、服の代金は誰が払うんだ? 俺?



ヌコ星人の侵略【17】

 「ヌコカードにゃ」

 彦兵衛さんはクレジットカードみたいなのを店員さんに渡した。店員さんはカードリーダーに通し、彦兵衛さんが暗証番号を入力する。すると代金が支払われた。

 「金融コンピューターのハッキングですか?」

 「出来るけどしないにゃ。日本政府に取り敢えず一千億円借りて、ヌコならヌコカードで買い物出来るようにしてるにゃ」

 「一千億…」

 「水で動く内燃機関、軟性空間抵抗発生技術、分子分解再構成技術を教えたにゃ」

 俺は頭の中で彦兵衛さんの言葉の意味を考えた。社会構造が激変するようなトンデモ技術だ。

 「安くないですか? 一千億って」

 「実用化して、儲かるまで時間が掛かるからこんなもんにゃ」

 「技術は政府独占ですか?」

 「民間に技術レンタルするそうだにゃ」

 「はー…」

 ガソリンの価格は限りなく下がり、テレビやパソコンのモニターが空間抵抗式モニターになり、海水から金やウランが穫れるようになる。世界中から戦争を吹っ掛けられそうだ。ヌコ星人は日本を守ると言ってるが…。



ヌコ星人の侵略【18】

 買い物の後、上の階にあるマルチスクリーン式の映画館へ行った。ヌコ球の文化には映画は無いそうだ。翻訳機であるトランスレーターを使って、直接物語が観られるし、本当に体験したように感じるらしい。

 平日の昼だから空いていると思ったら、人とヌコ星人で混み合っていた。ヌコ星人にとって映画は原始的な娯楽なのだろうが、やっぱり体験したいらしい。それと、俺のように押し掛けホームステイヌコ星人がかなり居るように思えた。…経済に影響が出ないか少し心配した。

 俺はすぐに観られる映画を探した。『愛と情熱の炎』『ゴング!』『ゾンビの研究』の三本が20分以内に観られる。

 「どんな内容にゃ?」

 と彦兵衛さんがもうポップコーンを食べながら言った。

 「最初のはラブロマンス、次のはボクシング、最後のは死人が蘇って人間を食べる話」

 「それは面白そうにゃ!」

 「どれが?」

 「ゾンビにゃ!」

 彦兵衛さんとは趣味が合いそうだ。妻の碧は露骨に嫌な顔をしているけど。



ヌコ星人の侵略【19】

 「にゃー!」

 「にゅにゃー!」

 「にゃにゃにゃー!」

 「にゃおおおにゃー!」

 と花井さん一家はゾンビ映画を観て叫んだ。まだ序盤で、病院で死人が蘇って行く場面だ。みなさん目をカッと見開き、わなわなと震え、スクリーンから遠ざかろうと背もたれに身体を押し付けている。

 「あの、映画ですから。作り物ですから」

 俺は苦笑いして彦兵衛さんを安心させようと肩に触れた。すると彦兵衛さんは更に驚いて『にぎゃー!』と叫んだ。

 他の席のヌコ星人達も悲鳴を上げている。こりゃ一旦彦兵衛さん達を外に連れ出した方がいい。

 「何するにゃ! まだ途中にゃ!」

 「いや、でも、精神的に」

 「怖いにゃー! 映画は凄いにゃー! 面白いにゃー! 最後まで観るにゃー!」

 「はあ」

 ヌコ星人は人間との共通点も多いけど、感覚は多少、いや、大いに違うようだ。

 碧が笑っている。ヌコ星人の様子が可笑しいのだ。俺も笑いを必死に耐えた。でも耐えられずにゲラゲラ笑ってしまった。



ヌコ星人の侵略【20】

 「脳内映像より映画の方が面白いのはどうしてですかね?」

 と俺はロビーで多少、いや、かなりぐったりして彦兵衛さんに言った。あれから三回もゾンビ映画を観たのだ。ヌコ星人達は館内で『ぎにゃー! うにゃー!』と悲鳴を上げ続けていた。

 「安心感が無くなるにゃー…」

 「安心感?」

 「トランスレーターで体験する場合は『体験してるけど作り物』と感じるにゃ。映画はそれがないから凄く怖いにゃ」

 「映画はただの平面投影ですよ?」

 「恐怖とかの感覚は、体験より想像力の方が大きくなるみたいにゃ。それにヌコ球にはゾンビは居ないにゃ」

 「地球にも居ません」

 「にゃ! でも見たにゃ!」

 「映画ですってば。作り物です」

 「何故にあんな怖いモノを作れるにゃ! 絶対ゾンビは居るにゃ!」

 「はあ」

 「だからもう一回観るにゃ!」

 「勘弁して下さい…」

 俺は目に涙を溜めて言った。碧は遠くを見つめている。花井さん一家はまだ興奮している。どうしよう?



ヌコ星人の侵略21~30に続く


にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 小説ブログ 小説家へ
にほんブログ村

関連記事
このエントリーのタグ: 武澤信幸 SF小説 連載小説
コメント
▼このエントリーにコメントを残す