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Nobuyuki Takezawa

Author:Nobuyuki Takezawa
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※プレビュー画像はかなり美化しております。こんなに若くありませんしm(_ _)m でも、カラオケ好きなのでマイクを持たせました※

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S-BOX Summer time

S-BOX Summer time

【S-BOX Summer time 本文抜粋】

 その時、オブザーバー席と逆の方にある扉が開いた。軍服で階級を示すミストラルの中でもマントは重要である。佐官クラスにならないと軍服にマントは付かない。それがマントを羽織った集団がやって来たのだ。僕とソロフ大尉は反射的に立ち上がって敬礼した。

 「敬礼はよい。座れ」

 と一番長い真っ赤な長いマントを羽織った女性が言った。物凄い美人だ。僕は素直に座った。ソロフ大尉が硬直しているので引き下ろして座らせた。その後に大扉から尉官や佐官が入って来た。赤いマントの女性はまた同じ事をマイクを使って言った。

 全員が着席した。長いマントの士官達は各々操作盤を使ってデータを見たりしている。

 「第十五艦隊のブリッジ要員の代表も、オブザーバーも揃ったようだな。まず自己紹介しよう。私はセイラ・ストレイサー中将だ。宜しくな」

 作戦室が少しざわついた。セイラ・ストレイサーにこんな場所で会えるなんて夢みたいである。姉が元老院メンバーのマリア・ストレイサー、妹が天の川銀河のミストラル宙域を支配しているレイラ・ストレイサー少将である。名門中の名門だ。

 「さて、既に知ってる者も多いと思うがバラギアの迷彩艦が艦生物に襲われた。これを見てくれ」

 とセイラ言うと僕が艦生物と戦っている画像が流れた。

 「これは緊急救難信号のもとに向かった戦術実験艦ミーシャのテストパイロットがテスト機で艦生物と戦った記録である。軽々と艦生物の相手をしているように見えるが、これはテストパイロットの腕がいいからだ。パイロットの堂島少尉、立って挨拶してくれないか?」

 僕は心臓が『ドキン』と鳴ったのを聞いたような気がした。そして起立して敬礼した。

 「戦った時の感想は?」

 とセイラ。声は各人の操作盤に付いているスピーカーから聞こえるようになっている。

 「未知の相手なので慎重にどの兵器がどのように効くのか考えながら戦いました」

 「最も気を付けなければならないのは?」

 「恐怖です」

 会場から失笑が洩れた。恐怖を感じるのなら戦うなよ、とでも言いたいのだろう。

 「艦生物はその存在に触れる者に根源的な恐怖を呼び起こします」

 「理由は分かるか?」

 「分かりません。抽象的で曖昧な推測なら出来ますが」

 「言ってみろ」

 「人間を超越した存在に本能的に畏怖しているのではないか、と思います」

 「なるほど。艦生物は知的生物か?」

 「蟻とか蜂のような、と言う比喩ではなく、人間を巨大にしたような感じがします」

 「分かった。座ってよい」

 「はっ!」

 僕は椅子に座った。額から汗が一筋流れ落ちた。

 「次はバラギアからもたらされた映像だ」

 また会場がざわついた。バラギアは敵である。バラギアもミストラルを敵だと思っている。そのバラギアからもたらされた映像って何なんだ?

 楕円テーブルと手元のホログラム投影機にその映像が流れた。

 「これは…!」

 多数の艦生物の姿が映っている。大きさも形もまちまちだ。小さいのはS-BOXぐらいで大きいのは大型戦艦ほどもある。そしてその数の数字を見て驚いた。二千六百八十七隻である。バラギアの艦隊は猛烈な攻撃にさらされて十分も持たなかった。次は戦力を整えたバラギア艦隊対艦生物の映像だ。バラギアは勝算有りと踏んで戦いを挑んだのだろうが、蹴散らされた。艦生物は穴が開こうが砲塔を破壊されようがお構いなしに攻撃してくる。それに短距離ワープ砲撃もマスターしているようだ。この戦いで千機近いバラギアの艦艇がやられている。

 「バラギアの敗因の一つに堂島少尉が感じた恐怖と畏怖がある。最初に乗組員全員に何らかの処置をしていればここまで酷くやられはしなかったと思う」

 ホログラムがマゼラン球状星雲図になった。艦生物の動きが表示される。ワームホールの正反対の位置から徐々に遭遇報告がなされ、バラギアの片側に艦生物は集結して、バラギア艦隊の半分を破壊した。ミストラル宙域とはまだ距離があるが、スライド航法なら二週間で到達する距離だ。

 「敵の数は二千七百機弱だ。ミストラルの戦力はバラギアとそう変わりが無い。このままで我が宇宙軍は壊滅するぞ。何か考えのある者、忌憚無く意見を言え」

 場内がシーンとした。その中で僕は手を上げた。

 「堂島、譲少尉。何か?」

 とセイラ。

 「少し分析したんですが、バラギアが負けたのは様々な要因があります。艦生物の恐怖と畏怖の伝播能力の他に、連中の戦術が有効ですね」

 「ほう」

 「味方の艦生物を砲撃して、その向こうのバラギア艦を沈めるケースが多いです。味方に砲撃された艦生物は傷つきますが、すぐに後方に下がって『救護艦生物』とも言うべき艦生物に修復、再生作業を受けて戦線に復帰しています。その間約五分です。その後の艦生物はまた味方の盾になるのか、他の艦生物と共に砲撃で攻撃するか、どんな指令系統があるのか、これまでのデータでは分かりません」

 「では、指令系統を叩けば再生は防げると?」

 「推測ですが、無理です。艦救護生物が多すぎます。先ほども言いましたが、艦生物は蟻や蜂のような行動原理を持ってなく、一体一体が自主判断をして、尚且つ連携しているようです。小型の艦生物がバラギアの大型戦艦に付着して自爆しています。これは一旦戦闘が始まればスライド航法での逃走は不可能だという事を示しています。全ての艦生物が指令を出し、全ての艦生物が指令を受ける中の戦闘です」

 「どうすればいい?」

 「バラギアの残存艦隊に残された手段は特攻ぐらいなものでしょう。それより、一刻も早くバラギアと軍事同盟を結び、艦生物を分断し、各個撃破をするべきです」

 「バラギアと手を結ぶ…」

 「それと天の川銀河のミストラル艦隊を呼び戻し、銀河同盟とも共闘すべきです」

 「ふむ」

 「出来ればアメリカ帝国主義国、日本皇国、日本共和国の援軍を求めるべきです」

 「お前は、マゼラン星雲、天の川銀河の全ての戦力を持ってしないと勝てないと言うのか?」

 「ええ。よく考えて下さい。相手は生物です。どこかで繁殖しているとしたらそここそが敵の弱点です。繁殖させなければ勝てる相手です」

 「場所は何処だと思う?」

 「ホログラムに投影します」

 そこはバラギア宙域を遥かに超えたマゼラン星雲の端っこだ。ホログラムには可能性が高い順に赤、黄色、緑のグラデーションを付けた。



S-BOX Summer time

宇宙空間用パワードスーツ、それがS-BOXだ。

全高は20メートル程。人型をしており、凄まじい戦闘力を備えている。

乗ってみたいなあ…。無理か。


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