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Nobuyuki Takezawa

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B-BOX Moanin'

B-BOX モーニン

【B-BOX Moanin' 本文抜粋】

 原生林の中を時速八十キロで行進して、やっと目的の不時着宇宙船に辿り着いた。単結晶体の船体故に、その結晶の中には入れない筈である。中核となる結晶体の周囲に管制室やエンジンその他宇宙船に必要な設備が取り付けられている。前回までの調査ではそうだった。内部には入れなかったので外部から音響探査を行っている。音響探査をしているのはスキャン出来ないからだ。スキャン防止装置が働いているのか、単結晶体だからスキャンを受け付けないのか分からない。

 今回は、前回発見した外部ハッチからの進入である。何があるかまったく分かっていないので少し緊張する。

 現場に到着した。前回宇宙船の周囲に電磁マーカーを設置した。何者かが接近すれば分かる仕組みだ。計器にはネズミと虫以外何も近寄って居ないとある。

 「よし、全員迷彩を解け」

 と梨乃。エネルギーの消耗を抑える為と、まだこちらの人工衛星が生きているので敵の衛星軌道からの攻撃も無い。移動中はB-BOXの慣らしと動作確認の意味で迷彩を掛けていたが、もう意味が無いのだ。

 「私の部下にプラズマトーチでハッチを焼き切らせる」

 と梨乃がネックコネクタで全員に言った。すぐさま梨乃の部下が二名、他船とのドッキング用のハッチに向かい、各々B-BOXの両腕でプラズマトーチを持って焼き切りに入った。

 待っている間に周囲を観察した。森の木々が揺れている。小川が流れている。小川には蟹みたいな生物が何匹も居る。魚も居る。

 不時着宇宙船が聳え立っている様に見える。全幅が三十キロメートルもあるから成層圏を遙に越えて、宇宙空間に船体が届いているのだろう。宇宙船の壁面には水が滴り落ちている。

 黒いB-BOXの集団がハッチを見ている。ちょっと滑稽だ。もう半分ハッチを切断したようだ。

 「全員、迷彩を掛けろ! すぐにハッチが開く!」

 と梨乃。またデートしたいなあ、と思ってしまった。

 俺達は透明になり、待機した。そしてハッチが焼き切られ、ガランガランと音を立てて宇宙船の中に倒れた。

 「岡田少尉、西川少尉、古賀少尉の順で内部に突入する。しんがりは私の小隊だ。ん? ちょっと待て、上から通信が入った。この部隊は正式に日本共和国探査偵察B-BOX第九中隊に編制された。中隊長は私だ。では進入したまえ」

 と梨乃。

 「上申!」

 と俺が言った。

 「なんだ?」

 「長ったらしい名称なので第九中隊と略しても良いでしょうか!」

 「問題無い」

 「ありがとうございます!」

 俺はハッチを手で掴んで内部に入った。俺の部下も続く。しんがりは流石だ。

 真っ暗だ。すぐに暗視スコープが働く。俺の身体の動きを察知してアミエルが慎重に進む。通路もあれば部屋もある。

 しかし、単結晶体にどうやってドッキングハッチを取り付けたのだろうか? どうも船体が大きすぎてまともにスキャン出来ていないような気がする。

 B-BOXはその場に行くだけで様々なデータを記録する事が出来る。だから俺はさらに進んだ。

 ホログラムで『窓』を作り、気になる箇所をクローズアップした。ある部屋に『武器庫』と英字で書かれたプレートを発見した。

 「英語だ…」

 と俺は呟いた。そして続けた。

 「落ちた動力の回復を図るべきでは?」

 と梨乃に提言した。

 「いま私の部下がやっている」

 と梨乃。梨乃の小隊も通路まで入っている。そして壁に手を当ててエネルギー回路を調査している。答えはすぐに出た。

 「これは…、人間が作った船だ」

 と梨乃は動揺を隠して言った。

 「単結晶体の船体を人間が?」

 と俺。

 「異星人の可能性もあるが、まず間違いない」

 「どこの国ですか」

 「アメテイだろうな」

 「マジかよ」

 「こら、態度が悪い!」

 「も、申し訳ありません」

 「ん? 電源が復旧するらしい」

 と梨乃が言うと通路に明かりがずらーっと点いた。

 「どうやったんです?」

 と俺。

 「この船は緊急時に主要部分以外の電源を落とすようになっている。火事を防ぐ為だな。私の部下がその命令を解除した」

 と梨乃。梨乃の隣で一体のB-BOXが壁にプラズマトーチで穴を開けて、腕から細い万能マニピュレーターを入れている。

 俺は武器庫と書かれた部屋のドアの開閉スイッチを押した。ドアが開く。ドアの大きさは人間やジリゴニアに丁度良い様に出来ている。B-BOXでもそのまま入れる。

 中に入る。拳銃やアサルトライフルやショットガン、多弾倉グレネードランチャー、プラズマガン、プラズマライフルなど多種多数の武器が整然と並べられていた。俺はその部屋を一周してデータを集めた。

 次は向かいの部屋だ。『準備室』とプレートに英語で書かれている。中に入るとかなり広い部屋で、長椅子ばかりある。灰皿も煙草やコーヒーの自動供給器もある。ジリゴニアは煙草は吸わない。ただの有害物質としてすぐに肝臓で分解されるからだ。コーヒーは好きな奴が多い。でもこれは人間の準備室だ。俺はまた走ってデータを集めた。

 『武器庫』で武器を受け取り『準備室』で装備して待つ、のだろう。そして命あって出撃する。ドッキング用ハッチの近くにあるという事は他船他艦に対する白兵戦用かも知れない。

 俺は通路に戻り、先頭になって進んだ。この大きさの船だ、ゆっくり進んでいる訳には行かない。早歩きでどんどん進む。目的地はメインブリッジだ。



B-BOX Moanin'

おはよう!

の「Morning」では無く、Moanin'とは『呻く』という意味だ。

Jazzの超名曲でもある。


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