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Nobuyuki Takezawa

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T氏の話Vol・5 Yさんの依頼

T氏の話Vol・5

【T氏の話Vol・5 Yさんの依頼 本文抜粋】

 「ちょっとこれを見て欲しい」

 とYさんは自分の鞄から古めかしい、細長い箱を取り出した。そして箱を開けた。中には巻物のような物が入っていた。Yさんは箱を退けて、その巻物をテーブル上に広げた。

 それは掛け軸だった。僕はその掛け軸に描かれている色鮮やかな絵を見て『げっ!』と言ってしまった。

 幽霊が描かれていたのだ。いや、妖怪に近い幽霊だ。目玉が飛び出して、唇も飛び出して見える。顔は痩せこけた男だ。身体は汚れた着物を着ていて、柳の木の下で両手を胸の高さまで上げている。足は薄くなっていて、背景の川が見える。凄く良く出来た絵だが、物凄く気持ち悪い。

 「なんですかこれは?」

 と僕はYさんに質問した。

 「幽霊の掛け軸」

 「それにしては生々しいと言うか、江戸時代の物でしたら結構な値段が付くんじゃないですか?」

 「私もそう思った。でもこれはとある富豪の蔵に保管されていたのが出回ったものだ。何故か持ち主は数日から数ヶ月でこの絵を売りに出すか、ただで譲っている」

 「どうしてですか?」

 「…喋るらしい」

 「はい?」

 「喋るんだよ」

 「この絵の幽霊、Yさんに向かって何か言いましたか?」

 「私は怖がりで、この掛け軸を手に入れて、ずっと金庫の中に入れて置いた。幽霊の絵が喋る為には飾らないといけないらしい」

 「はー…」

 「信用しなくてもいい。だけど協力して欲しい。謝礼は三万出す」

 「三万!」

 「安いか?」

 「いえ、とんでもないです」

 「それでレポートを書いて欲しい。これもとある人から頼まれたんだ」

 「その『とある人』も怖がりなんですか?」

 「怖がりと言うより用心深い人だな。嫌なら断ってくれても」

 「やります。やらせて下さい」

 「でも真夜中にしか喋らないぞ」

 「休みの日に実験します」

 「いいね。がっついていて。若い者はそうでなきゃね」

 Yさんは掛け軸を丸めて箱に入れ、僕に差し出した。僕は『どうも』と言って箱を受け取った。

 「じゃあ何かあったら電話でもメールでもいいから連絡してくれ。出来ればレポートと経過観察なんかも書いてくれたら有難い」

 「わかりました。今日から僕はYさんの助手なんですね」

 「うむ。でもバイトも就職活動も続けてくれよ。俺は君を養う程金を持ってないから」

 とYさんは言い、上目遣いで笑った。僕達は一緒に喫茶店を出て、僕はコンビニへ、Yさんはスーパーカブ110に乗って夜の街へ去った。やっぱり僕もバイク欲しいなあ、とまた思ってしまった。



T氏の話Vol・5 Yさんの依頼

普段はT氏からの奇妙な依頼を受けているYさん。

しかし、T氏の依頼は次第に過激度を増して行く。

そんな時、コンビニでアルバイトをしていたD君と出会い…。

『T氏の話』最終巻!




T氏の話Vol・5には

 『掛け軸の幽霊』

   『呪いのベータテープ』

     『雨降り池』

      『スペシャル』

       『オーパーツ147』


の五編が収録されています。


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