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Nobuyuki Takezawa

Author:Nobuyuki Takezawa
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陸戦王

陸戦王

【陸戦王 本文抜粋】

 かなり走った。俺はバギーを止めて、金属探知レーダーを使った。

 「南西十二キロメートル付近か…」

 俺は金属レーダーの画面を見ながら言った。そしてまたバギーを走らせた。

 目的地に着いた。すると遠方に落下傘とクッパがあった。まだ開けられていない。俺はバギーの速度を上げた。

 そしてクッパのすぐ近くでバギーを止めた。そしてバギーから降りてクッパを持ち上げようとしたがあまりに重くて、バギーの手動式レンチを使って荷台に置いた。ニナは落下傘を折りたたんでクッパの下に詰めるようにして置いた。

 俺は地面に座り、バギーを背もたれにしてキクおばさんが作った弁当を広げた。よだれが出そうになる。ご飯とタコさんウインナーと玉子焼きと漬物だ。ニナも俺の隣に来て、バッグから弁当を取り出した。俺は水筒から水をコップに汲んでニナに渡した。

 「今日はご馳走」

 と俺は言った。

 「きょうはごちそう」

 とニナも言った。そして二人揃って『いただきます!』と言って弁当を食べた。

 もうすっかり夜だ。星がいっぱい見える。地上は砂と石と岩しかない。食べ物や戦車やレーダーの部品なんかはみんなクッパの中に入っている。

 クッパ…。大型耐熱カプセルという名前もあるけどみんなクッパと呼ぶ。それが空から落ちて来て、拾う。そして中の物のお陰で生きている。生まれた時からそうだったから疑問に思ってなかったけど、よく考えたら変だ。空に誰か居て、俺達にクッパを届けてくれている、というヤツもいるけどいまいち信用出来ない。

 お弁当を食べた。砂で洗って仕舞おうとしていたらまた空が光った。やっぱりこの前の機械はクッパの落下地点を示す装置だったんだ。

 「ニナ! 行くぞ!」

 「はいはいー!」

 俺とニナは新しいクッパを取りにバギーを走らせた。


 明け方、俺達の村ランドールに戻った。二個目のクッパの落ちた位置が遠くて、クッパ自体もいつもと違って大きく、重かったのでかなりスピードを落とさなくてはならなかったからだ。

 村では俺達の帰りを心配してキクおばさんや、セラおじいや、タルルや、他の大人達や子供達みんなが起きて待っていてくれた。

 「そんな心配しなくて大丈夫だよ」

 と俺はバギーを停めて言った。妹のニナは眠っている。キクおばさんがニナを抱いて女の寝床に運んで言った。

 タルルとセラおじいと、子供達がクッパを物置小屋に運んだ。女の子は落下傘を片付けて、誰のどんな服を作ろうか楽しそうに話し合っている。

 「お、開いた」

 とタルルが言った。クッパは何で出来ているか分からない程硬い。だから『オン』と『オフ』の回転式スイッチが付いている。『オフ』にするとクッパは割れるように開く。

 「おー…。水、食べ物、お菓子、電子部品、ガソリン、アサルトライフルと弾、おおー、これは当たりのクッパだな。おー」

 と感心しきりのタルル。クッパの中には生活と全く関係のない、訳の分からない変な物が詰まった物もある。今回は当分村の皆が生きて行けるだけの物資が詰まっていた。もう一つのクッパに戦車用部品や砲弾が入っていれば文句なしなのだが。

 もう一つの大きなクッパの開閉スイッチを回す。『プシュー』と音がして煙が出た。俺達は吃驚した。

 「な、なんだ?」

 俺はクッパから飛び退いた。煙でよく見えない。しかしこの煙、匂いが全くしない。何なんだろ?

 「にににに」

 とタルル。

 「は?」

 と俺。

 「ににに、人間だあ!」

 「え?」

 俺はクッパの中を覗いた。そして腰を抜かした。

 クッパの中に人間が居る。女の子だ。俺と同い年ぐらいだ。でも服を着ていない。肌の色も俺達と違う。真っ白だ。髪の毛は金色だ。

 「何なんだ、これ…?」

 今までクッパの中に人間が居たという話は聞いた事がない。俺は気を取り直して中の人間をよーく見ようとした。

 「うひゃ!」

 と俺は悲鳴を上げた。白い女の子が目を開いたのだ。

 「だだだだ、誰だ、お前!」

 俺は女の子に言った。女の子は起き上がり、俺を見た。緑色の瞳だ。

 「私は…」

 とその女の子は言い、ニコッと笑った。でも俺は真っ赤になった。真っ裸の女の子を見るのは初めてだ。

 「はいどいて、あんたらにゃまだ目の毒だよ」

 と落下傘の布を持ったキクおばさんがやって来て、女の子に布を巻き付けて、クッパから出して女の子部屋に行ってしまった。俺はその様子を呆然と見ていた。タルルも同じだ。

 「何だったんだ?」

 と俺は呆けたように呟いた。



陸戦王

砂と岩しかない地球。

生きる厳しさは大人も子供も関係無い。

少年はいつから大人になったのだろうか?


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