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宇宙輸送艦恩地丸の受難 Ⅱ

恩地丸2

【宇宙輸送艦恩地丸の受難 Ⅱ・本文抜粋】

 「藤堂中尉、この事は他の部下に連絡するな」

 と言って三島はメインブリッジから出た。また保安部員が敬礼した。そして竹田から押収した古式銃の保管してあるロッカーへ寄って、対人用ショットガンとリボルバー式の拳銃を手にした。散弾も弾丸もきっちり収まっている。発射の確認は武器類を押収した際に虎顔大尉が行っている。

 ついでによく切れそうな日本刀を腰に差す。拳銃はプラズマガンを収める部分に差す。原始的だがあの虫に対しては最も効果的だと思われる武装だ。

 三島はショットガンを持って走った。メインブリッジから貨物ルームデッキ97までは誰も居ない。リフトに乗り、出てまた走る。少し汗が出たところで現場に着いた。

 デッキの中に入る。数十メートル離れた所にアンドロイドが立っている。アンドロイドの額には逆三角形の印と認識番号がプリントされている。

 『艦長! どうしてそこに居るんですか!』

 と肩の通信機から高橋大尉のけたたましい声がした。三島は通信を切った。高橋大尉達がここに来るまで最低でも五分以上は掛かる。

 「お前は何だ?」

 と三島はアンドロイドに訊いた。

 「私の名前はミーン。昔よく『その意味はなんですか?』と人に訊いたのでそう名付けられました」

 とミーンと名乗るアンドロイドが言った。

 「なぜ、ここに居る?」

 「伝言を伝えるようプログラムを改変されました」

 とミーン。そう言えばデータ管理室は人間が居ないし、生体反応が無かったので全くの無警戒だった。あの虫が高等な知性を持っているのなら、アンドロイドのプログラムを書き換えられるかも知れない。

 「プログラムを改変した者は?」

 と三島。

 「艦内でグリーロと名付けられた種族と共生関係にある生物です。名称はザジです」

 「こりゃまた簡単な発音で結構だね」

 「ザジはグリーロ人の提案を受け入れます。正式に日本共和国に援助を求めます」

 「人間はお前達の敵で、皆殺しにするんじゃなかったのか?」

 「認識に誤りがありました。人間のグループの一つが我々の敵です」

 「その敵を見つけたら、やられた事をやり返すのか?」

 「ある程度です。我々の最大の目的はグリーロで平和に暮らす事です。それが保証されればいいのです」

 「日本共和国がお前達に手を貸すと思うか?」

 「グリーロ人達も我々も、人間にとっては初めての異星人だと知りました。ですから無碍に扱ったりする事はないでしょう」

 「よくこの短時間でデータバンクから色々情報を抜いたな」

 「我々は見掛けはある種の昆虫の幼虫に似ていますが、進化の過程で電気信号を操れるようになり、知性と自我を獲得しました。コンピューターからのデータ抽出はデバイスが無くても可能です」

 「そりゃ凄いね。で、俺の部下を殺した罪をどう償う?」

 「我々は知識で貢献出来ます」

 「お前、さっき『伝言を伝えるようプログラムを改変された』って言ったよな」

 「その通りです」

 「ホントかあ? 会話が成立しているみたいだけど?」

 「それはそのような疑問に答えるプログラムを組まれているからです」

 「じゃあ確かめよう」

 三島はショットガンを構えた。アンドロイドは動かない。そして撃った。その瞬間、アンドロイドは逃げる仕種を見せた。が、散弾はアンドロイドの左胸に命中し、後方に吹っ飛んだ。

 三島はショットガンを四発連続でアンドロイドに撃ち込んだ。そして日本刀を鞘から抜いて構える。

 「キシャーッ!」

 とアンドロイドが叫んだ。身体に無数の溝が出来た。そして一瞬のうちにアンドロイドの身体は太くて白いロープの塊のようになった。ロープがするすると解け、虫の頭が出てきた。虫は威嚇するように頭をもたげた。近くで見ると結構大きい。

 「人を殺したら死刑が相場なんだよ!」

 と三島は日本刀を振りかぶり、虫に突撃した。虫の動きは鈍い。既に散弾でズタズタになっている。

 「でやっ!」

 三島は虫の首を切り落とした。白っぽい体液が飛び散る。肉を切ったというより固い野菜を切った感触があった。

 頭部と身体を切り放された虫は動かなくなった。念のために、虫の身体にショットガンの残りの散弾を撃ち込んだ。



宇宙輸送艦恩地丸の受難 Ⅱ

人生は決断の連続である。

決断しない時は、決断しないという決断をしているのだ。


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