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宇宙輸送艦恩地丸の受難 Ⅰ

恩地丸1

【宇宙輸送艦恩地丸の受難 Ⅰ・本文抜粋】

 「恩地丸?」

 「はい。八州最後の宇宙船です」

 と高橋大尉が宇宙港の中央付近を指差して言った。

 「アレが…?」

 三島はそれを何かの建造物だと思っていた。ドーム球場みたいな形をしていて、とてつもなく大きい。よく見ると、惑星の地表に着陸する為の四角い足がある。それでさえ巨大なビルサイズだ。

 ざっと目測してみる。全長は約千二百メートル以上、全幅は千メートルぐらいか。全高は二、三百メートル以上だ。上から見たら楕円形だろう。船体はこれまた巨大な六角形の補強パネルで覆われている。

 しかし、スライドエンジンが見当たらない。普通の宇宙船は数機のスライドエンジンを船体の外部に取り付けるものだ。船の内側に入れると船内の時空が歪み大変な被害が出る恐れがある。

 他にも奇妙な点が幾つもある。通常の艦船でこれだけ並外れて大きいのは見たことがない。中型の宇宙ステーションぐらいの大きさである。反動推進エンジンも科学反応スラスターもどこにあるか分からない。全体の印象で表現すると、首を引っ込めた亀みたいな船である。

 「うーむ…。もしかするとあの船はアレか?」

 と三島。

 「アレとは…?」

 と高橋大尉。

 「ブラックホールエンジン搭載船。つまりジャンプ船だ」

 「はい。そう聞いていますが、私も来たばかりですので詳しい事は分かりかねます」

 高橋大尉はちょっと困った顔で言った。三島は『本当かよ』と思った。

 「そうか。ではここの責任者は?」

 と三島。

 「報告によると吉良大佐が恩地丸の艦長に就任する予定でした」

 「それは知ってる」

 「死亡されましたので、三島少佐が最高階級となります」

 「なるほど…。えっ?」

 三島はまた驚いた。上級士官が相次いで戦死している状況は把握していた。その為に自分のような技術士官が前線に投入されたのだ。しかし、まさか自分が最高階級になるとは思ってもみなかった。

 「同級も居ないのか?」

 三島は高橋大尉に訊いた。

 「自分が知る限りですが、居りません」

 「そうか…」

 これは困った。実戦を経験したのはつい半年前だ。それまではずっと研究所に篭っていた。

 四十五年生まれのジリゴニアには非凡な優秀さが備わっている、と言われているが三島は自分が優秀だなんて感じた事はない。研究畑の軍人として頑張ってきただけだ。行き当たりばったりで生き残った、ただそれだけである。

 軍用ジープが近付いて来た。日本共和国宇宙軍の軍服を着た男が二人乗っている。ジープは三島の傍らで停車した。

 「動けるBOXはすぐに恩地丸の格納庫へ入れろ!」

 と助手席の男が怒鳴った。

 「自分が最高位ではなかったのか?」

 三島は高橋大尉に訊いた。

 「そうだと思いますが…」

 高橋大尉はジープの男達を見て呟いた。その様子を見た男達がジープから飛び降りた。

 「官姓名を名乗れ!」

 と背の高い方が怒鳴った。うるさいヤツだ、と三島は思った。

 「惑星八州第十七BOX師団第四大隊長、三島勇次少佐。ジリゴニアだ」

 三島は取り敢えず背筋を伸ばして言った。そして高橋大尉が続ける。

 「惑星八州第十七BOX師団第四大隊第三中隊長、高橋美雪大尉。右に同じ」

 との三島と高橋大尉の言葉に二人の男は三島達以上に反り返り、敬礼した。

 「失礼しました! 自分は惑星八州BOX整備隊所属、進士琢磨少尉です! ジリゴニアです!」

 背の高い方が大きな声で言った。こいつは軍人っぽくしているのではなく、単に地声が大きいんだなと三島は理解した。

 「惑星八州陸上輸送隊所属、小池三四郎少尉。右に同じです」

 もう一人が急にボソボソした口調で言った。小池少尉は外見は三十五、六歳に見える。進士少尉は二十代後半ぐらいだろうか。年式や実年齢が気になったが今はそれどころではない。

 「君達は現状を理解しているか?」

 と三島が訊いた。すると進士少尉が一歩前へ出て口を開いた。

 「宇宙輸送艦恩地丸の艦長として赴任する予定でありました宍戸大佐は衛星軌道上でのシャトル操縦中に敵艦船から砲撃を受け、亡くなりました。他のクルーも同機に搭乗しており、存命はわずかです」

 進士少尉はまた大きな声で言った。

 「それは報告を受けて知っている。が、先程後任の予定だった吉良大佐が亡くなった。最高階級は私になった」

 「そうだったのでありますか」

 「…私は何をどうしたらいい?」

 三島は少々うんざりして訊いた。



宇宙輸送艦恩地丸の受難 Ⅰ

恒星間航行宇宙船に絶対必要なものは?

やる気と根性? なるほど。必要ですな。

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