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Nobuyuki Takezawa

Author:Nobuyuki Takezawa
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コメット君

コメット君

【コメット君・本文抜粋】

 じーこ、じーこ、じーこ、と音がしている。夢の中で私はプラズマバッテリー駆動のバイクを運転していた。どうやらどこか故障しているようだ。バッテリーの蓋を開けると洗面器の中に沢山の裸の人が詰められていた。みんな熱湯の中でもがいている。ははーん、地獄はバッテリーの中にあったんだ。みんな大変だなあ、と思った。

 じーこ、じーこ、じーこ、という音が大きくなった。バッテリーの中の地獄が消えて土の地面が見えた。そして急速に意識がはっきりしてきた。

 「う、うう…」

 私は呻いた。身体中が痛い。どこが痛いのか分からないぐらいあちこち痛い。何が何だか分からず、私は上体を起こそうとした。

 「うおっ…」

 私はあまりの痛みに耐えかねてまた呻いた。

 「ご主人様、大丈夫ですか?」

 とコメット君の声が聞こえた。私は起き上がる事も出来ず、ただ激痛を感じていた。

 「動かないで下さい。ご主人様の背筋は三カ所断裂しています。肩胛骨にもヒビが入っています。無理に動くと取り返しがつかなくなる危険性があります」

 コメット君は私を抱えるようにして、寝ている向きを変えてくれた。少し楽になった。

 「あ、ありがと…」

 と私は言った。アンドロイドに対して礼を言う習慣など無いが、思わず口からそう出た。

 「ここは…?」

 私は痛みに耐えながら訊いた。見慣れぬ草木が生い茂っている。私は大きな木の根元の、ゴザのようなモノの上に横になっている。コメット君は何かの機械を手にしていた。

 「それは?」

 「通信機です。と言いましても亜空間波を出す機能は完全に壊れていまして、使えそうなのは通常の電波発信機の部分のみです。ちなみに、ここは遭難宙域から約二十光年離れた位置にある惑星です」

 「…変な音がしていた」

 「修理器具がありませんので、私の指をネジ回し代わりにして通信機を直していました。その音では?」

 「そうか…」

 と呟いたら視界がぼやけた。コメット君にもっと訊きたい事があるのに、口が動かない。緊急医療キットが無事で麻酔と鎮静剤がどうたら、というコメット君の言葉を聞きながら私は眠りに落ちてしまった。

 再び意識を取り戻した時は朝だった。緑がかった太陽が、遠くの木々の間から顔を覗かせている。夕方かな、と思ったけど朝露が近くの変な形の草の先に付いている。

 今度は頭が働くようだ。私は超新星の爆発のエネルギーのせいで遭難した。そしてこの惑星に不時着した。しかし、あの宙域の近くには惑星は無かった。もしあったとしても吹き飛ばされているはずである。

 私が横になっているすぐそばには、医療キットやコメット君が修理していた通信機や、船の残骸から持ってきたらしい機械類がきちんと並べてある。

 ガシャ、ガシャ、とコメット君の足音がした。見ると、手に紫色のブヨブヨした大きなものを持っている。

 「気がつかれましたか?」

 とコメット君は私の様子を見て言った。そしてブヨブヨのものを尖った木に串刺しにした。ぶしゅー、と赤黒い液体が木を刺した所から吹き出した。

 「なんだ、それは?」

 私は液体が自分に掛からないように仰け反って訊いた。身体に痛みが走ったが、耐えられないほどではなかった



コメット君

大切な何かは、この大宇宙のどこかにあるようです。


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