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Nobuyuki Takezawa

Author:Nobuyuki Takezawa
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※プレビュー画像はかなり美化しております。こんなに若くありませんしm(_ _)m でも、カラオケ好きなのでマイクを持たせました※

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ステアの日

ステアの日表紙改


【ステアの日・本文抜粋】


 自室の前のゴミ置き場の戸が開いている。資源ゴミの日だったかと記憶を探る。そして中を覗いて見た。

 人影があった。しかも二人だ。ホームレスのおじさんではない。ボロボロの布をまとった女の子のようだ。

 「!」

 女の子達は自分に気付いたようで一斉に顔をこちらに向けた。耳が頭の上に付いている。猫のような耳だ。尻尾も生えている。身体は、一人は百五十センチぐらいだろうか。痩せている。もう一人は、それより十センチぐらい低い。

 「がっ!」

 大きい方が恐い顔をして叫んだ。そして飛び掛かってきた。驚いて避けると、二人は生ゴミを口にくわえ、手に持てるだけ持ってものすごいスピードでアパートの裏手の方に走って行った。

 「こらーっ!」

 と誰かが叫んだ。声のした方を見ると近所のおばさんだった。おばさんは箒を振り回している。

 「ほんとにもう、困ったものだわ」

 おばさんはそう言い、腰に手を当てた。そして僕に気付いた。

 「あ、おはようございます」

 僕は会釈して挨拶した。

 「お隣のお兄さん、いつもお仕事、大変ですわねえ」

 おばさんは、毎回同じの、僕専用の挨拶の言葉を言った。そして逃げて行った女の子の方を見ながら顔をしかめた。

 「ステアってほんとに嫌だわ。どこにでも居るし、ゴミを撒き散らすし。保健所に連絡してるんだけど、順番があるからってなかなか来ないのよ。どうしたらいいと思う?」

 「アレって、ステアですか?」

 と僕が訊くとおばさんは怪訝な顔をした。僕は慌ててゴミ置き場の中が暗くて分からなかったと言い訳した。

 「警察に頼むってどうでしょう」

 僕はおばさんのご機嫌を伺うように言った。

 「したわよ。そしたら人間に危害を加えられないようプログラムされてますからって相手にしないのよ」

 「役所は?」

 「保健所に頼め、だわよ。たらい回しだわ。無責任よねえ。どう思う?」

 「そ、そうですね…」

 僕はそう言って頭を下げて自室に入った。これ以上おばさんと話していると疲れが倍化するように思えたからだ。

 ステアはどこにでも居る。美少女タイプが多い。普通の人間みたいなステアも居る。しかし、ステアの額には、逆三角形の緑のマークの中に、製造識別番号が刻印されているのですぐに分かる。あのステア達にもはっきりと記されていた。

 数十年前に、僕が生まれるずっと以前に有機体をベースにした人造人間、つまりアンドロイドが造られるようになった。最初は玩具のロボットみたいな他愛もないものだった。それが有機質で身体を構成出来るようになって爆発的に増えた。



ステアの日

捨てられたアンドロイドを『ステア』と呼ぶ。

小説家を目指す主人公は二匹のステアと出会う。そして何かが変わって行く…。

武澤信幸が初めて書いた電子書籍『ステアの日』 大切なものを見つけよう!


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